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2009年01月23日

アシネトバクター・多剤耐性菌

時事通信によると
多剤耐性菌、23人が院内感染=4人死亡、20~60代患者

-福岡大病院
福岡大病院(福岡市)の入院した重症患者23人が、抗生物質が効きにくい細菌「多剤耐性アシネトバクター」に院内感染し、うち20~60歳代の男女4人が死亡していたことが23日、分かった。同病院は2人の死因は感染でなく、残り2人も可能性は低いとしているが、国立感染症研究所とも連携し、感染ルートの究明などに当たる。
 アシネトバクター菌は自然界に広く存在し、健康な人には通常無害だが、免疫力が低下した状態で感染すると、肺炎や敗血症になり死亡する恐れがある。感染報告は国内では少ないが、欧米では約10年前から相次いでいる。
(2009/01/23-21:25)

詳しくは、福岡大病院の報告資料を読むといいと思う(pdf)
http://www.hop.fukuoka-u.ac.jp/oshirase/000001003381.html

アシネトバクターは、健康な人の皮膚にも常在することのあるグラム陰性桿菌というアシネトバクター属として21種が確認されている。そのほかにも常在菌には、グラム陽性球菌の表皮ブドウ球菌や、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、グラム陽性桿菌のコリネバクテリウム属などが常在することがある。普段は特に怖いものではなく、健康な人にはおおよそ無害なのだけれど、病院等で患者に使用する医療機器の体内挿入による血液感染や、呼吸器等に起因して感染して有害化するケースが多い。
記事には無いが、アシネトバクター属の21種類に分類される中に7割以上を占めるbaumanniiという種類がある、もともと湿度のあるところならそこら中の環境中で検出されるし、一般人の頭皮や皮膚にも普通にいておかしくない菌だ。
多分この菌なのだろう、大学の報告書にもあるとおり、重い基礎疾患のある患者が人工呼吸器等々を使用して感染した場合に、肺炎をおこしたりするわけだ、正直なところ切り傷だろうが手術だろうが尿路だろうが、何処からでも入り込んで敗血症やら、髄膜炎、心内膜炎、腹膜炎などの起因菌となる。
このbaumanniiが特に厄介だといわれているようだが、ほんの数種類の薬剤以外、色々な抗生物質等々に対して多剤耐性を示すことがある、、、重い基礎疾患の患者はもとより、新生児の敗血症も報告されているから、特に注意をしなきゃいけない

今回は、関連が薄いといいながらも、明らかに院内感染しているわけで、予防策が適切に講じられていたのかしっかりと感染研究所による指導だけでなく、調査も行ってもらいたい。
今回は患者に保菌者がいたようだが、他の患者や病院スタッフが保菌していた場合もないとは言えないだろう。
ただ、誰が保菌していたかよりも、病院において医療機器の消毒不十分という基本中の基本であるリスクマネージメントができていなかったことが問題だと思わざるを得ない。それとも、アシネトバクターは消毒できないのか??

昨日の日記、インフルエンザウィルスでも少し触れたが、、
いつ何処で、強い菌が生まれ育つか分からない、こうした現代の環境については、
ひとことしか言葉がない、、

「怖い」



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